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“株式会社JTBベネフィット”の事例

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営業の業務効率化と働きやすい環境創出

会社概要

(左より)営業企画推進部 営業企画課長 佃 慎一 様・総務部 総務課 鹿島 慎司 様・第一営業部 営業第二課 中島 ちひろ 様・システム企画室 システム企画課長 佐久間 政宏 様・システム企画室 システム企画課 佐々木 靖幸 様
本社所在地
〒135-0033 東京都江東区深川2-7-6
ネクストサイト深川ビル6階
従業員数
295名
事業内容
福利厚生事業、健康支援事業、生活設計支援事業、CRM支援事業、インセンティブ事業
株式会社JTBベネフィットが提供する福利厚生サービス「えらべる倶楽部」
モバイル勤務 ライフ・ワーク・バランス 生産性向上 育児 業務の効率化

経営課題営業の業務効率化と働きやすい環境創出

労務管理とセキュリティの厳しい基準をクリアする制度の構築を目指す

社内基準を満たすテレワークを模索 実践を通して検証したい

当社は、株式会社JTBのグループ企業で、法人向けに福利厚生サービス等を提供しています。「福利厚生から価値創造を行うプロ集団として、活力ある組織作りと、健康で心豊かな社会の実現に貢献する」という企業理念のもと、日々業務に取り組んでいます。福利厚生サービスの会社であるため労務管理を徹底することを重視しており、それに加えてお客様の個人情報等のセキュリティ対策も万全でなければならないと強く感じています。この2点を重視するためにテレワーク導入には慎重になっていました。しかし、営業効率向上や、育児休業から復帰する社員も増えていく中で、より働きやすい社内風土に改革する必要性を感じ、2017年から制度改変やキャリアビション形成とともにテレワーク導入の検討が始まりました。労務管理とセキュリティの2つの課題をどのようにクリアできるか、実践によってメリット・デメリットを検証したいと思い、モデル実証事業に参加しました。

JTBの法人営業支店やカフェで営業担当の社員がモバイル勤務を検証

モデル実証事業では、営業担当の社員12名がモバイル勤務を行いました。うち5名が、管理者です。2か月間で全員が20回程度、貸与したノートパソコンを使い、外出先の近くにある株式会社JTBの法人営業支店やカフェ、移動中の新幹線等で資料作成やメール対応の業務を行いました。メンバーのスケジュールは、既存の共有カレンダーで確認していました。営業部ではICT環境が仮想デスクトップによりシンクライアント化されており、貸与のノートパソコンにはハードディスク等の記憶装置を搭載せず、ローカル上に情報が残らない仕組みになっています。また、時間外労働抑止のために、勤怠管理ツールを使って、いつパソコンを起動したかログが残るようにしました。

労務管理・セキュリティを重視 徹底した対策でスタート

福利厚生の企業として、当社は労務管理を重視しています。業務時間外に自宅でメールやスケジュールを見るだけでも就業規則に違反してしまいます。そこで、コンサルタントからのアドバイスを参考に、事前講習会でルールの説明を行った後、誓約書に署名をもらってからノートパソコンを貸与する形を取りました。また、セキュリティ面を徹底し、機器や通信環境、ツールを新たに導入する際はJTBグループの基準をクリアし、さらに当社の基準をクリアできるか、システム担当がセキュリティ項目を厳しくチェックしました。モデル実証事業では、ノートパソコンをレンタルして複数試しましたが、軽量でバッテリーが長持ちするものが好評でしたので、スペック等を踏まえながら今後の導入に向けて検討したいです。

クイックレスポンスや営業先の訪問件数増に効果を検証

テレワークを実施した営業担当の社員は、全員がアンケートに満足と回答しました。東京以北全域を担当する第一営業部では各人の担当エリアが広く、スケジューリングにも手間をかけていましたが、隙間時間に資料準備やレポート作成ができるようになり作業効率が向上し、1週間の新規営業の訪問件数が増えるといった効果がありました。また、これまではセキュリティの観点からスマートフォンで閲覧するメールでは添付ファイルが見られず、履歴も残さないよう設定されていましたが、シンクライアント化されたパソコンが持ち出せるようになったことで、データがローカル上に残らないため、速やかなメール応対が可能となりました。問い合わせに対してクイックレスポンスができ、お客様へのサービスが向上する等、確かな効果を実感できました。

モデル実証を終えて規程を整備し2019年度には本格導入へ 在宅勤務の検討も

今後の課題として、仮想デスクトップ利用時の安定した通信の確保やチャットツール、Web会議の選択、導入があります。自社に合った適切なICTツールの選択は、今後も重要な検討課題と認識しています。モデル実証事業を踏まえて、2019年度から営業本部でモバイル勤務を導入する予定であり、就業規則の改定や設備投資の計画を整理し、導入に向けた準備を進めています。まずはセキュリティ面を整備しながらスモールスタートさせ、2019年度下期には営業部全社員がモバイル勤務できる環境を整えていこうと考えています。並行して、育児や介護等の事情を持つ社員に向けた在宅勤務の制度化についても新たに検討を進めていきたいです。

解決ポイント

経営課題
営業担当の社員の業務効率化
育児等時間の制約がある社員の働きやすさ向上
導入概要
東京本社の営業担当の社員及び管理者計12名を選定
グループ企業の支店やカフェ、新幹線等でモバイル勤務を実施
仮想デスクトップによるシンクライアント化したパソコンで、ローカル上にデータを残さないセキュアな作業環境を構築
勤怠管理ツールにより業務時間外のパソコン使用を抑止
導入効果
隙間時間の有効活用による業務効率化
外出先でのメール対応によるクイックレスポンス
営業先の訪問件数増加といった生産性向上の効果を実感

テレワーク体制図

導入の様子

株式会社JTBの法人営業支店でモバイル勤務する上農 拳大 様

コンサルタントからのアドバイス

モデル実証事業では、営業担当の社員がモバイル勤務で使用するパソコンを仮想デスクトップによりシンクライアント化しました。これにより、パソコンのローカル上でデータを扱いませんので、セキュリティが強化されます。テレワーク導入をお考えの企業にとってもセキュリティは重要な問題です。仮想デスクトップやリモートデスクトップの他、特殊なブラウザで情報を閲覧する等、安全なアクセス方法はいろいろあります。自社に合った方法を検討することが重要です。

※仮想デスクトップ
仮想化技術を用いたVDI(仮想デスクトップ)サーバーに利用者ごとのデスクトップ環境を立ち上げ、その画面を手元にあるパソコンやタブレット端末等で遠隔操作するシステム。
※シンクライアント
ほとんどの機能がサーバーで処理され、入出力程度の機能しか持たない端末のこと。書類作成も保存もサーバー上で処理されるので、データが端末に保存されない。
※リモートデスクトップ
オフィスに設置されたパソコンのデスクトップ環境を、手元にあるパソコンやタブレット端末等からネットワークを経由して遠隔操作するシステム。
※クラウドサービス
クラウドで提供される業務管理サービスやチャットサービスなどの総称。