“スタイラー株式会社”の事例
場所を選ばない働き方で、成果を最大化
会社概要

- 本社所在地
- 〒150-0041 東京都渋谷区神南1-10-6
バルビゾン98 401 - 従業員数
- 国内20名、台湾・ベトナム拠点7名
- 事業内容
- 「未来の購買体験を創造する」をコンセプトとする、ライフスタイル分野向けの会話型プラットフォームの開発・提供

経営課題場所を選ばない働き方で、成果を最大化
スタートアップ企業は、効果を重視 自由度の高い働き方で、生産性向上を実現
成長が速いスタートアップ企業で競争力向上のため導入
当社は2015年3月に設立し、「未来の購買体験を創造する」ことをコンセプトに、ファッションなどのライフスタイル分野で会話型のプラットフォームを開発・提供しています。
拡大するEC(電子商取引)市場の課題は、需要に対する提案力です。現在のECは、カタログ状に商品が並び、利用者がそこから選んで購入する設計となっています。そこで、手触り感が伝わり、店員と相談しながら購入できる新感覚購買ファッションアプリ「FACY」を開発しました。漠然とした需要に対して、購入候補となる商品を店舗が提案し、「店員と相談しながら」という部分を、ECの購入体験として組み込むことで、ECの可能性はさらに高まり、幅広い分野にも波及していくと考えています。
このように設立当初よりWeb上のサービスを手掛けていることもあり、社員に働く場所や時間は問わず、成果をあげることに、より集中して欲しいと考えています。特に、当社のようなスタートアップ企業は、成長の速度が速いため、経営者も社員も、競争力のある働き方を実現し続けていかないと市場に対応できません。在宅勤務やモバイル勤務は、競争力をつけるための手段です。当社では、顧客情報に触れることができる社員は限られており、テレワークによる情報漏洩面のリスクを抑えることができると考えているため、在宅勤務もモバイル勤務も業務範囲に制約を設けていません。
環境を大きく変えず既存の制度、サービスを活用
当社は、テレワークを始めるに当たり、大きく環境を変えてはいません。就業規則は、裁量労働制の項目を追加したのみ。ファイル共有・転送やWeb会議、チャット、スケジュール管理等は、既に利用していたクラウド管理システム※のサービスを継続し、場所を選ばず業務ができるようにしています。
スマートフォンについては、営業の社員には会社から支給し、それ以外の社員は私物の端末を持ち込んで業務に活用しています。私物に限らず、会社のネットワークにアクセスするには認証が必要となっています。
自由度も生産性も高い働き方で成果を最大化
アパレル店舗の開拓担当である林は、前職でも同様の職種に従事していましたが、当時は伝統的な働き方を重んじる会社で、店舗訪問を除く業務は事務所で行う必要があり、作業効率が悪かったそうです。現在は、通勤も含め、自由度の高い働き方が可能になり、心身面・時間面の負担が軽減しました。全国の様々な店舗を訪問して交渉し、「FACY」への参加店を拡充していく業務では、関西エリアの開拓の際に夫の実家に長期間滞在することで、近隣地域の店舗の訪問を効率的かつスピーディに行うことができました。より多く、また何回も店舗訪問できる環境は、参加店舗の獲得等、成果の最大化をもたらしました。交通費についても新幹線で何度も往復することを考えると軽減されたと考えています。
Webデザインやサービス設計等を担う外崎は、サービス戦略やプロダクトの方向性を企画する際、一人で集中するために在宅勤務を活用しています。また、デザインの考案時には、資料を多く広げながら作業する環境が望ましく、スペースに限りがある事務所よりも、自宅に設けた作業場を使うことで生産性を高めています。任されている業務範囲が広いため、ここでも成果の最大化につながっています。
テレワークの課題は、社員同士が隣り合って会話する機会が減ることです。外崎はほぼ毎日、午前は自宅で集中して作業を行いますが、午後は事務所に出勤して、スタッフと会ってコミュニケーションすることを心掛けています。メールやチャットでは伝わりにくいことも対面してコミュニケーションすることで円滑に業務を行えます。テレワークの導入の際には、顔を合わせる機会が減るからこそ、よりコミュニケーションのあり方の重要性が高まります。
モデル実証を終えてテレワーク導入のPRは有能な人材確保においても利点
当社は、女性の社員が半数近くを占め、今後は、結婚や出産といった生活環境が変わる社員が増えて行くと予想しています。テレワークを導入した利点は、こうした生活環境が変わっても、業務に従事し続けられることにもあります。社内外に取組が広まることで、当社に合った志向を持つ有能な人材を確保しやすくなる利点があります。
解決ポイント
- 経営課題
- 競争力が高く、業績につながりやすい職場環境の構築
- 生活環境の変化に伴う多様な働き方の準備
- 導入概要
- 顧客情報に抵触しない範囲で、業務範囲に制限を設けず、自由度の高い裁量労働制を採用
- 以前より活用していたクラウド管理システム※の継続利用
- 導入効果
- 個々に工夫したテレワーク活用による生産性の向上及び営業効率の向上
- 能力や経験のある社員の確保・採用
テレワーク体制図

導入の様子

モデル実証企業からのアドバイス
意識の変化と業務の標準化
経営者がテレワークの効果を理解し、推進を望んでいても、現場の社員の理解が進んでいないことや、業務を標準化できていないことによって、導入に支障が出てくることが考えられます。業務を分解し、標準化することと、社員の心理面の環境整備の両方が重要です。
基盤となる信頼関係の充実
テレワークで不在となるからこそ、社員間の対話がより重要になってきます。信頼関係が醸成されていてこそ、テレワークによる業務が効果的に進みます。
- クラウドとは
- インターネット上にデータを保存する使い方、サービスのこと。
- ※クラウド管理システム
- クラウドで提供される業務管理サービスやチャットサービスなどの総称。