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“株式会社日光電機”の事例

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作業現場への移動時間の有効活用を検証 作業効率改善により顧客対応が向上

会社概要

本社所在地
東京都府中市美好町2-33-9
代表取締役
佐藤 陽子
従業員数
9名(2021年1月現在)
事業内容
電気設計プランニング、消防設備設計施工・工事保守点検、家庭用電化製品の販売

作業現場への移動時間の有効活用を検証
 作業効率改善により顧客対応が向上

時間の有効活用と雇用継続につながる働き方を模索

当社は1969年の創業以来、電気工事設計・施工・管理を行っています。公共施設や工場、集合住宅等のLED化や防犯カメラ、空調・換気扇等の設置・維持管理が主な事業で、社員のほとんどが現場に出る勤務形態となります。

当社には育児や介護をしながら働き続けたいという社員がおり、雇用継続の観点からも柔軟な働き方が必要でした。また、作業現場での隙間時間や移動時間を有効活用することで業務の効率化も図りたいと考えていました。さらに、東京都府中市では2019年の台風による多摩川の増水があり、自然災害等のBCP対策(事業継続)の体制作りも視野にありました。これらの理由から、「はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)」に申請しました。

テレワークのイメージを具体化 自社で実現できることを検討

申請にあたり、2019年11月から東京都の業界団体連携によるテレワーク導入促進事業を活用し、コンサルティングを受けました。はじめに、テレワーク導入に不安を抱える社員を含めてセミナーを行い、テレワークを実施することで業務が効率化すること等を他業界の導入事例も参考に理解していき、自社でも取り組める業務があることを確認しました。まずは積極的にテレワークに取り組むことができる社員から始めていき、徐々に浸透させていくことにしました。

導入に当たって業務の棚卸しを行うと、出張等により報告業務が大幅に遅れることがあることが分かりました。そのため、モバイル勤務も視野に入れることにしました。また、テレワークに必要な機器やツールは、自社にあるものと、新たに導入するものを分けて検討し、セキュリティを考慮してリモートデスクトップと、情報共有のためのクラウドサービスを導入することにしました。その際、ITリテラシーに不安のある社員のための活用講習も準備しました。

テレワーク勤務規程は、ひな形を用いて制度が定着するよう、シンプルな運用ルールで準備を進めていきました。

隙間時間を活用し、業務を効率化 顧客対応の質とスピードが向上

2020年4月に「はじめてテレワーク」を活用し、ノートパソコン2台、リモートデスクトップ2台、クラウドサービスを導入、2名の社員でトライアルを開始しました。運用ルールは、セキュリティの観点から実施場所を自宅及び出張先のホテル、社用車内といった機密が守られる場所に限定し、資料のダウンロードや出力は禁止としました。利用条件は、残業禁止、始業・終業時に会社への電話連絡、ホワイトボードへ記載といったシンプルなルールにしました。

開始当初はITリテラシーに不安のある社員は、リモートデスクトップへのログインにつまづくことがありましたが、取扱方法をスマートフォンにメモする等工夫することにより使いこなせるようになりました。

現場作業を行う社員は、これまで見積書や報告書等の作成は、現場から社内に戻って行っていました。特に出張では複数の現場を回ることも多く、1週間程度会社に戻らないこともあります。この場合、1週間前に確認した現場の報告は、会社に戻ってから作成し、お客様に提出することになっていました。そこで、社用車や出張先のホテルでの書類作成を行うことで、スピード感をもった営業活動を実現し、顧客対応の質が向上しました。

また、現場撤収後にメールチェックのために会社に戻る社員もいましたが、帰宅した方が早い場合は直帰を許可し、在宅勤務ができるようにしました。

こうした取組は、移動時間の有効活用による顧客対応の向上に加え、残業時間の削減やプライベート時間の充実につながっています。

デジタル化で現場の対応力が向上 今後の課題はペーパーレス化

当初は、リモートデスクトップ活用のために起動しておいた自席パソコンを、社内にいる社員が電源を落としてしまうことがありました。そこで、パソコンに「本日、テレワーク中」の札を付けるようにしました。

テレワークを使いこなす社員が出始めたことで希望者も増加し、ノートパソコン2台とスマートフォン2台を追加で購入しました。今では、自己啓発でオンラインセミナーに参加し、積極的に学習する社員も出てきています。

さらに、デジタルツールに慣れてきたことで、施工や現地確認といった現場作業での活用へ広がっています。例えば、現場にいる社員が社内にいる専門知識の高い社員とWeb会議でつながり、リアルタイムに状況共有し、指示を得ることで、素早く正確に業務を行なっています。

現在の課題は、印鑑や資料のペーパーレス化です。承認や資料の取扱いを工夫することで、より生産性を向上させていきたいです。さらに、柔軟な働き方をアピールした採用活動も積極的に行い、優秀な人材の採用につなげたいと考えています。

テレワーク導入の流れと成果

きっかけ

  • 現場での隙間時間や出張の移動時間の有効活用
  • 雇用継続のために、柔軟な働き方を構築したい
  • 自然災害にも対応できるBCP対策の体制作り

コンサル

  • テレワーク対応業務の整理
  • 使用する機器・ツールや運用ルールを検討

取組

  • ノートパソコン2台とリモートデスクトップ2台、クラウドサービスを導入
  • 対象者2名でシンプルな運用ルールを決めトライアル
  • 出張先や出張先からの直帰で効率的に業務を実施

成果

  • 見積書や報告書等の作成が早まり、顧客対応の質が向上
  • 現場の状況をWeb会議でリアルタイムに共有し迅速に状況判断

現在の運用方法

PROJECT leader

従来のやり方を変えることへの抵抗もありましたが、実際に取り組んでみるとテレワークの利便性や有用性を実感し、スムーズに浸透できています。導入が難しい業界でもテレワーク可能な業務はあります。まずは実践してみることで効果を実感することです。

代表取締役
佐藤 陽子 様

TELEWORK 実施者の声

出張で複数の現場を回る際にテレワークを行っています。以前は出張から戻り、出社した時にまとめて報告書を作るため、報告が1週間後になってしまうこともありました。ホテルで報告書作成ができることで、社内処理やお客様対応がとても速やかになったことは大きな効果です。お客様から対応の速さに好評をいただいています。

工事部
山田 竹美 様