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“株式会社サンエース”の事例

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売上に直結するFAX受注業務を電子化 セキュアな環境整備でテレワークを実現

会社概要

東京営業所
所在地
東京都千代田区内神田1-5-13
内神田TKビル4階
代表取締役
社長
吉田 耕次
従業員数
67名(2021年1月現在)
事業内容
塩化ビニル安定剤、金属石鹸、その他特殊添加剤の製造販売

売上に直結するFAX受注業務を電子化
 セキュアな環境整備でテレワークを実現

打合せの合間時間の有効活用やBCP対策を目指す

当社は1940年の創業以来、プラスチック添加剤を始めとする特殊添加剤の製造を行っています。下水用パイプや電線等に必要不可欠な塩化ビニル安定剤は国内シェアトップクラス、世界シェア3位を誇り、化粧品・トイレタリー等の幅広い分野で使用される金属石鹸と合わせて、事業の柱となっています。

本社は神奈川県愛甲郡にありますが、都内の営業所に営業担当4名、営業事務1名が在籍し、全国のお客様を管理しており、顧客先訪問における打合せの合間時間の有効活用が課題でした。また、近年の台風等の自然災害や東京2020大会で通勤が困難になった際の対策として事業継続も検討していました。そうした働き方改革の一環としてテレワークに関するセミナーを受けたことで、「はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)」のことを知りました。

業務棚卸しで業務を可視化 紙資料のペーパーレス化が課題

2019年11月に東京都のワークスタイル変革コンサルティング事業によるコンサルティングが始まりました。コンサルティングでは、テレワーク勤務規程に関するガイドラインの資料を使って、営業の移動時間の取扱い等を明確にするようアドバイスをいただきました。さらに、テレワークができる業務を洗い出し、業務の可視化を行いました。それにより、受注書や仕切り書(代理店へ発行する取引明細書)等の業務といった紙資料による業務が多いことに気付きました。

ペーパーレス化がテレワークの鍵になりますが、特に受注書に関する業務が課題でした。顧客からFAXで受け取り、受領の返信をFAXで送信する必要があります。その後、社内からしかアクセスできない基幹システムで受注内容を入力していきます。この一連の作業が多い日で30件以上もあり、テレワーク導入を難しくしていました。その際、コンサルタントからリモートデスクトップによるセキュリティの高いアクセス方法等を提案いただきました。

さらに、東京営業所限定の導入に対して東京2020大会による通勤困難への対応だけでなく、全社員への適用といった長期的な取組として、他社員が納得できる目的を作ることもアドバイスいただきました。

セキュアな環境と電子化を推進 営業や社内会議はWeb会議で実施

2020年3月から「はじめてテレワーク」を活用し、ノートパソコン5台とリモートデスクトップ、クラウドサービスを導入。さらに、スマートフォンで勤怠管理ができるシステムも導入しました。セキュリティを重視したことからリモートデスクトップを活用することにし、チャットやWeb会議といったコミュニケーションを行う際やファイル共有にはクラウドサービスを活用しました。

不安視していた受注入力業務については、リモートデスクトップを利用し、社内の共用パソコンへアクセスすることで、セキュアに基幹システムを操作できることが分かりました。また、FAXによる受注書の受取りは、受信したFAXを複合機でPDF化するようにしました。これにより、在宅勤務でも受注業務ができるようになりました。

営業では、多い時には月の半分程あった出張が新型コロナウイルス感染症の影響でできなくなり、Web会議で商談を行うようになりました。今では、出張していた時よりもお客様との日程調整がしやすくなり、打合せ時間もコンパクトに収まるようになっています。また、社内会議もWeb会議で行うようになり、移動時間と交通費の削減につながっています。

社内のコミュニケーションはWeb会議のほか、チャットを活用しています。年次の高い社員でも気軽に使えるように、個人用も展開しているチャットサービスのビジネス版を利用しています。

当初は、東京営業所限定での導入でしたが、業務が効率的に行えていることを確認できたため、神奈川本社の管理部門でもテレワークを実施するようになりました。

今後もテレワークをフレキシブルに活用 さらなる充実で、課題解決に取り組む

テレワークを導入してみて、様々な効果を実感しています。緊急事態宣言が発令された時にはテレワークができるようにし、感染リスクの回避と通勤時間の削減による時間の有効活用で生産性の向上を実感しました。平常時に戻った時にも、あまり制限を設けず、フレキシブルに在宅勤務、モバイル勤務、サテライトオフィス勤務を社員が選定して活用できる体制を整備したいと考えています。

ただし、IT担当者が不在で、営業が兼務しているという状況です。実際、リモートデスクトップがつながらないという問題が発生した時には、誰かが片道1時間かけて出社し、何のツールが原因でリモートデスクトップがつながらないのかを確認することがありました。今後は管理がしやすいようにツールを1本化していく必要性も感じています。こういった問題を解決しながら、より充実した体制作りを行っていきたいと考えています。

テレワーク導入の流れと成果

きっかけ

  • 顧客との打合せの合間時間を有効活用したい
  • 通勤困難時の事業継続

コンサル

  • テレワーク勤務規程の検討
  • 業務の可視化
  • FAXによる受注業務の電子化を相談

取組

  • ノートパソコン5台、クラウドサービスの導入
  • リモートデスクトップを活用した受注入力を行う基幹システムへのアクセス環境の整備
  • Webによる社内会議や営業活動

成果

  • ペーパーレス化による生産性向上
  • Web会議活用により日程調整や打合せ時間が改善

現在の運用方法

PROJECT leader

当社のようにペーパーレス化が課題でテレワークを躊躇している企業もあろうかと思います。当社では、複合機でFAXの電子化ができ、スムーズに制度化できました。ペーパーレス化を実現するための機器やツール、業務方法はあると思いますので、自社にあった方法を模索してみてください。

営業グループ 部長
荒井 俊雄 様

TELEWORK 実施者の声

在宅勤務の制度が整ったことで通勤がなくなり、朝晩ともに子どもとの食事の時間が作れるようになりました。さらに、子どもの世話も妻と共同で行うことができるようになりました。家族との時間が作れる新しい働き方だと感じています。

営業グループ 主任
辻 裕史 様