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“大同信号株式会社”の事例

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機密情報の漏洩を鑑み2通りのセキュリティを導入 管理職が導入メリットを実感し、旗振り役へ

会社概要

本社所在地
東京都港区新橋6-17-19 新御成門ビル
代表取締役
社長
佐藤 盛三
従業員数
527名(2021年1月現在)
事業内容
鉄道信号保安装置・電気機器その他機械器具の製造・修理・販売、鉄道信号保安装置・電気機械器具の設置工事・修理工事、不動産の賃貸等

機密情報の漏洩を鑑み2通りのセキュリティを導入
 管理職が導入メリットを実感し、旗振り役へ

働きやすい環境作り実現に向けて経営層も含めたプロジェクトを始動

当社は、1929年に現大田区に鉄道信号保安装置用機器の製造・修理・販売を目的に創業された後、合併・独立を経て、1949年に大同信号株式会社として設立しました。以来、鉄道信号や遮断機、新幹線の速度を自動調整するシステム等を中心に、鉄道に関する製品を提供しています。

家庭で育児、介護を担う社員や体に障害を持つ社員等、多様な事情を持つ社員が在籍しており、働き方改革の必要性がありました。そのため、2018年から大同のDの頭文字を取ったD-Workという経営層も含めたプロジェクトを進め、時間外・休日労働に関する協定届(36協定)への対応やフレックスタイム制の導入といった社員が働きやすい環境作りを目指してきました。その一環として移動時間の有効活用等からテレワークの導入も考えていました。そんな折、「はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)」のことを知りました。

管理職の理解が制度化の鍵 セキュリティに注視して検討

2019年8月から東京都のワークスタイル変革コンサルティング事業によるコンサルティングが始まり、働きやすい環境作りを目的として検討を開始しました。これに伴い、社内でテレワークに関するアンケートを実施したところ、半数以上の社員が「興味がない」と回答したため、利用する意味を創出し、活用しやすい風土を醸成していく必要がありました。トライアル対象者に管理職を多く採用し、メリットを実感して旗振り役になってもらうことが大事だと、コンサルタントから助言を受けました。そのため、導入の概要を説明する機会を設けるとともにヒアリングを行い、管理職の理解を深めていきました。

また、特殊な製品を扱っている関係で機密情報が多く、社外で業務を行うことに不安があったため、リモートデスクトップによるセキュリティ強化を検討することにしました。テレワーク勤務規程は、目的や業務の実態に応じた制度にする必要性を解説いただき、業務の棚卸しをすることと合わせて、利用条件や回数上限、申請フロー等を踏まえた形で調整していくことにしました。

アクセスも機器もセキュリティを考慮 管理職が安全性を実感

2020年1月に「はじめてテレワーク」を活用し、軽くて持ち運びがよい顔認証付きのタブレット16台とリモートデスクトップを導入しました。対象者は、職種ごとの課題を抽出するために営業、経理、情報セキュリティ、設計、開発といった幅広い部署と、管理職のメリット実感が重要だと判断し、役員や管理職も含め、都内の事業所で勤務する計350名から33名を選定しました。テレワーク形態は、在宅勤務のほか、都内の事業所や福島の工場の一部をサテライトオフィスとして活用し、さらに民間のサテライトオフィスも利用し検証しました。また、元々利用していたVPN接続に加え、情報の重要度が高い業務に対してはリモートデスクトップで社内の自席パソコンにログインする方法も導入しました。在宅勤務は週1日、サテライトオフィスは営業を中心に外出の際に積極的に活用することとしました。当初半数以上が「興味ない」という状況でしたので、営業担当にお願いして民間のサテライトオフィスを活用してもらうこともありました。

営業の管理職はサテライトオフィスを活用して、これまで社内に戻ってから行っていた承認業務や資料作成、Web会議を活用した社内会議や商談を行いました。安全性と業務効率を実感できたことで、今ではWeb会議を活用しながら営業しています。また、チャットでは、テキストでの会話のため直接的な表現を避け、優しく伝わる言葉を選ぶようにすることで、部下からもさらに指示が分かりやすくなったという評価を得ました。コミュニケーションの不安が払拭され、手応えを得た管理職は、今では社内での旗振り役となっています。

育児中の社員は、テレワークを活用して、移動時間の削減による時間の有効活用や通勤時間がなくなり、また家族と育児や家事を分担できたという効果が見られました。これにより、介護が必要になる社員が出てきた時への活用という幅を感じられる取組になりました。

テレワークで進むペーパーレス化 さらなる働き方改革を推進

トライアル期間は2020年2月で終了し、本格導入の準備中でしたが、新型コロナウイルス感染症対策のため、予定を早めて制度化しました。トライアルを行っていたことで、従業員の感染リスクを避けることができました。

テレワークの導入を会社全体で見た時、想定よりもペーパーレス化が進み、テレワークだけではなくオフィス業務にも効率化をもたらしました。ただ、経理では業務を切り分けながら在宅勤務を活用していますが、伝票等の紙業務が多く一層のペーパーレス化が課題となっています。テレワーク導入により、生産性が上がった部署と難しかった部署が分かりましたので、さらなる働き方改革を進めていきたいと考えています。

テレワーク導入の流れと成果

きっかけ

  • 移動時間の有効活用
  • 社員が働きやすい環境作り

コンサル

  • 管理職へのヒアリングの実施、トライアルへの参加検討
  • セキュリティ面でリモートデスクトップの活用を検討

取組

  • タブレットとリモートデスクトップを導入
  • 既存のVPNと併用して2通りのセキュリティ対策を検証
  • 管理職を含む幅広い部署から33名でトライアル
  • 在宅勤務とサテライトオフィス勤務を検証

成果

  • 商談回数を減らすことなく営業活動
  • 管理職がテレワークの旗振り役
  • ペーパーレス化による業務の効率化

現在の運用方法

PROJECT leader

当初アンケートで消極的な意見が多かった当社では、管理職が積極的に活用することで推進できました。同じような会社もあると思いますが、管理職にメリットを実感してもらうことがお勧めです。

右:事務統括部 総務部 労務課長 兼 ダイバーシティ推進プロジェクト長
塩 健太郎 様

中:事務統括部 総務部 労務課 兼 ダイバーシティ推進プロジェクト
湯田 恵里香 様

左:事務統括部 総務部 労務課 兼 ダイバーシティ推進プロジェクト
篠崎 翔太 様

TELEWORK 実施者の声

最初は、部下やお客様と会わずに会議を行うことに戸惑いましたが、社内では積極的にデジタル化を働きかけました。今では営業スタイルが変わっていくことを実感しています。集中できる反面、寂しい感じもしますが、最近では一人きりの空間で作業することが板についてきました。

営業本部 第一営業部長
大槻 彰信 様