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“日都産業株式会社”の事例

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制度化よりトライアルを優先してじっくり解消 社員のコミュニケーションが改善され、管理ツール見直しで残業抑制

会社概要

本社所在地
東京都杉並区宮前5-19-1
代表取締役
山中 慎吾
従業員数
77名(2021年1月現在)
事業内容
公園設計、公園遊具、学校、幼稚園、その他休憩所や広場等の遊具、健康器具、休養施設の設計・製作・販売・施工・保守管理

制度化よりトライアルを優先してじっくり解消
 社員のコミュニケーションが改善され、管理ツール見直しで残業抑制

社員の育児休業を機にテレワークを検証 孤立感の解消が課題

当社は1939年以来、ブランコ、鉄棒、ジャングルジム等の公園遊具や健康器具、休養施設を製造してきました。

慢性的な繁忙状態が続く中、デザイン課の社員2名が相次いで育児休業に入ることになったため、復帰後に在宅勤務を行ってもらおうとテレワークの制度化を目指し、2018年度の東京都の「テレワークの活用促進に向けたモデル実証事業」を活用しました。

管理部門の社員がトライアルで他拠点をサテライトオフィスとして勤務を行うほか、育児中のデザイナー2名が週3日~月10日程度とフレキシブルに在宅勤務を活用し、業務効率の向上を実感しました。「モデル実証事業」後も早急に制度化を目指すのではなく、2019年度を通して課題を抽出することで、制度化を目指すことにし、デザイナーの在宅勤務のトライアルは継続して行いました。また、管理部門が行ったサテライトオフィス勤務は主に営業が引き継ぎ、当社の各営業所を自由にサテライトオフィスとして活用できるようにしました。ただトライアルを進める中、雑談といった社員同士の交流が少なくなり孤立感があるという課題や労務管理の難しさを感じ、改善が必要でした。

チャットにより気軽に雑談 対象を広げることで社員の主体性が向上

社員同士のコミュニケーションを活性化するために、日常的な挨拶や何気ない会話が、社員同士の結び付きを強くするものと考え、在宅勤務やサテライトオフィス勤務で離れた場所にいても、社員が気軽につぶやいたり、会話したりできるチャットを導入しました。最初は、一部の社員だけがテレワークを活用していたこともあり、自分には関係ないと無関心な社員が多かったように思われますが、徐々に対象範囲を広げたことで、社員の意識も変わりました。一人ひとりが自分事として捉え、チャットへの投稿や声掛け等、積極的に在宅勤務者へのサポートを行う姿勢も見られるようになりました。

ログ管理ツールの導入で残業を抑制 クラウドサービスで営業効率が向上

トライアルで見えてきた労務管理の課題は、勤怠管理ツールで始業・終業を打刻し、就業時間を管理していたものの、打刻後に残業してしまう可能性が想定されたことでした。そこで、パソコン操作のログを管理できるツールを取り入れました。いつでも勤務時間の管理ができる状況を作ることで、あくまで社員の自主的な残業抑制をするのが狙いです。これにより、残業を削減することができました。

また、受注・売上等のシステムはクラウド化し、スマートフォンのテザリングを使用することで社用車内でも見積書や提案書を作成できるようにしました。これにより素早い対応が可能となり、お客様の満足度が向上しています。さらに、工場に赴いて行っていた在庫、進捗、出荷等の確認作業や全体会議をWeb会議で行うことで、移動時間が削減される等、業務効率の向上を実現しています。加えて、商品出荷時にはチャットにて進捗情報を発信することで、全社員が現場に近い情報を共有できるようになりました。

テレワークにより営業がフレキシブルに 紙伝票の電子化でさらなる推進を目指す

こうした取組を経て、2020年4月にテレワーク勤務規程を整えました。テレワークを行う社員は、事前に上長・社長の承認を得る決まりとし、在宅勤務の対象はデザイン、設計といった専門的な業務を行う部門や管理部門です。サテライトオフィス勤務は営業が当社の各拠点を活用するスタイルとしました。営業社員は、取引先からのフレキシブルな直行直帰で、より効率的な業務推進が実現しています。

テレワークを制度化したことで、緊急事態宣言時も慌てることなくテレワーク体制へスムーズに移行できました。現在は、工場で遊具等の製造を担当する社員を除く社員がテレワークの対象者になっています。

今後は、管理部門等のテレワークをスムーズに行うために、社内の電子化を進めていきたいと考えています。まだ紙の伝票を利用しているため、部門長や管理部門が出社しなくても業務が実施できるよう環境の整備を検討していきます。さらに、出社した社員が電話対応や雑務に追われる現状があり、テレワークをスムーズに運用するには、出社している社員の負担軽減が何より大切なため、対策として電話の転送システムの導入も検討したいと考えています。

テレワーク定着・拡大の流れと成果

課題

  • 社員同士の会話が少ない
  • テレワーク時の残業抑制

取組

  • 雑談がしやすいチャットを導入
  • パソコンログ管理ツール導入
  • クラウドサービスやWeb会議等を活用

成果

  • チャット活用でコミュニケーションが活性化
  • 勤怠管理ツールとログ管理ツールの併用で残業抑制
  • クラウドサービス活用等で業務率向上

現在の運用方法

PROJECT leader

急いで制度化する必要はないと思います。最初は早急な制度化を目指したのですが、しっかりトライアル検証を行い、課題を把握してからの方がスムーズにいくことが分かりました。まずは、小さな一歩から始めることをお勧めします。プロジェクトを推進するためには、専門家の意見を聞くことも有効です。

総務部 係長
萩原 雅和 様

TELEWORK 実施者の声

所属課のメンバーは、課長以外全員同年代の女性で全員既婚者です。もし、産休のタイミングが重なったら大変という思いで、会社に働きかけて導入が決まりました。現在は全日在宅勤務なので、通勤時間がありません。その分、家事や子どもと過ごす時間をたくさん作ることができ、生活の質が向上しました。

技術部 デザイン課
門倉 さゆり 様